家や土地などの不動産を売りたいとき、かならずしも自分が望むタイミングで売却相手が見つかり、スムーズに売却完了できるとは限りません。
では、実際にはどれほどの期間が必要で、それより長引くケースにはどんな理由が考えられるのでしょうか。
ここでは、不動産売却が長引く原因と、そのリスクを少しでも避けるための方法についてご紹介します。
不動産売却が長引く理由と想定される期間
不動産の売却は、おおむね次のような段階を踏んで売却契約に至ります。
●売却査定
●契約を仲介する不動産会社の選択、決定
●売却計画~活動
●購入希望者による内覧~交渉
●売買契約成立~決済・引き渡し
条件にもよりますが、これらすべてが完了するまでに要する期間は3ヵ月から半年が一般的です。
ところが、想定を越えて売却期間が長引く場合があります。
その大きな理由としてまず考えられるのが、築年数や間取り、立地条件などに対する売却価格のアンバランスさ、高すぎる売却価格設定です。
また隣家との土地境界線が曖昧で、土地そのものが抱える法律的制約(再販不可・農地・市街化調整区域)なども売却への大きな障害となります。
さらに気をつけておきたいのは、売買を仲介する不動産会社選びです。
売買の窓口となる不動産会社の広告戦略や担当者の販売力によって、売却期間が思いのほか長引くか短期で済むかに影響を及ぼすことがあるからです。
住宅ローンも、残債があると基本的には売却ができませんので、事前の資金計画などに注意が必要といえます。
不動産売却が長引くのを防ぐ方法は?
売却期間の長期化を避けるために、まず考えたいのは適正な売却価格の設定です。
高めの価格から徐々に下げていくと、売れないから下げたとのマイナスイメージを抱かせる結果になりやすいので、初期の段階で複数の会社に査定を依頼するか、不動産一括査定サービスなどを利用して適正な価格を把握し、設定するのがよいでしょう。
また、売却のタイミングも重要です。
引っ越しシーズンといわれる学校が新学期の春や、企業の人事異動の季節でもある秋は中古物件の需要が高まります。
売り出しをその時期に合わせてみるのも、売却期間を長引かせないための有益な方法のひとつです。
内覧の際には、庭の手入れや建物内部の清掃はもちろんのこと、古くなった水回りの部品交換や壁紙の貼り替え、生活臭の除去など、細かいことも視野に入れて準備すれば、購入希望者によい印象をおぼえてもらえます。
もし、住み替えなどがすでに決まっていて、短期間での売却を第一に考えるなら不動産買取りを利用する手もあります。
不動産買取りとは、不動産会社が買主として売却する方法で、条件によっては1ヵ月以内で売却が可能なケースも。
売却価格が想定の6~8割程度にはなりますが、仲介手数料が不要な点はメリットといえるでしょう。