戸建てやマンションなどの不動産を売却する際には、さまざまな手続きが発生します。
その中で意外と見落としがちなことのひとつに「火災保険」の解約があります。
不動産を売却するときはどのタイミングで火災保険を解約すればいいのでしょうか。
今までにかけている火災保険料の返還の有無とあわせてご説明したいと思います。
不動産売却時の火災保険の解約タイミングとは?
住宅などの不動産を購入したときに火災保険に加入していたら、売却する時は加入者本人が火災保険の解約手続きをしなくてはなりません。
火災保険を途中解約できるのは、原則として契約期間の残りが1か月以上ある場合です。
では売却が決まったらすぐに解約すればいいのでしょうか?
答えは「ノー」です。
火災保険の解約手続きは「家の引き渡し後」、つまり「所有権の移転登記後」が最もいいタイミングと言えます。
たとえば売却予定の家から引越しを済ませ、「空き家」状態になる期間があるとします。
一般的な火災保険では火災だけでなく水害や落雷、水漏れや盗難などもカバーしています。
誰も住んでいないから火災保険はいらないかな?と早々に解約してしまいがちですが、火事や水害は空き家であろうとなかろうと起きるときは起きてしまうものです。
万が一火災保険の期間が切れている状態で火災などが起きてしまった場合、よほどの特約がない限りは自腹で家の修繕やトラブルへの対応をしなければならないばかりか、売買契約自体も白紙となる可能性も出てきます。
そうなってから後悔しても、もはやあとの祭りとなってしまいます。
では引き渡しの前日なら大丈夫かというと、やはりその一日で何が起きるかわからないので必ず引き渡し後(所有権の移転登記後)に解約するようにしましょう。
不動産売却時に途中解約すると火災保険料は返還される?
基本的に、火災保険は契約時に一定期間分の保険料をまとめて支払います。
契約期間が満了する前に解約した場合、残った保険期間の保険料は手続きをすることで返還されます。
早く解約すればするほど、保険料を多く返還してもらえることになりますが、前述のとおり解約のタイミングには気を付けましょう。
火災保険料は長期間分を一括で支払うと割り引きされる場合が多いため、2015年に"最長契約期間は10年"と定められる前までは、35年分を一括で支払っているケースも多々ありました。
仮に35年分の保険料を一括で支払い、築10年で売却した場合には保険料の未経過分は20年分とかなりまとまった金額になるので、売却前に契約期間や内容を確認しておくといいでしょう。