不動産購入に向けて土地や建物を探している人は、「日影規制」という言葉を目にする機会があるのではないでしょうか。
日影規制とは、建築基準法で定められている規定のひとつなのですが、いったいどんな内容なのでしょうか。
今回は日影規制とはどんな規定なのか、日影規制のある不動産を購入する際にどんな注意点があるのか詳しく解説します。
不動産の購入をお考えの方は、ぜひ参考にしてみてください!
不動産購入時に気をつけたい日影規制とは?規制の対象や概要
日影規制とは
日影規制とは、周辺住民の日照を確保し快適な暮らしを妨げないように建物を建てましょう、という規制です。
太陽がもっとも低い冬至の日が日照の基準となっており、冬至にまったく日が当たらない状況を作らないことが条件です。
なお日影規制は、建物の高さと用途地域によって、対象が異なります。
日影規制の条件と対象
第一種低層住居専用地域
軒高が7m超、または地表より3階建ての建物は、敷地の境界から5~10m範囲に3時間を超える日影を作ってはならない
第二種低層住居専用地域
軒高が7m超、または地表より3階建ての建物は、敷地の境界から5~10m範囲が4時間、10m範囲が2.4時間を超える日影を作ってはならない
上記の規制は、日影規制対象区域に指定されている地域のみに適用されます。
なお、規制内容は各自治体によって異なるため、詳しい規制内容は各自治体への確認が必要です。
日影規制の対象となる不動産を購入する際の注意点とは?
建物を設計する際に日影規制に引っかからないよう気をつける
日影規制のある土地に3階以上の建物を建てる場合は、規制に引っかからないような設計にしなければなりません。
2階建ての場合でも、天井を高くすると軒高が7mを超えてしまう可能性があるので、天井高は慎重に決めましょう。
また、自身の土地に日影規制がなかったとしても、隣家が規制対象の場合、自身の建物から落ちた影は規制が適用されるので注意が必要です。
周辺建物の日影になる場合、日照時間や影の角度を事前にチェックする
日影規制では、日の当たる時間が法律により確保されていますが、時間帯の規制はありません。
一番日の高い11時から14時が日影になる場合、日中でも室内が暗くなる可能性があります。
また、2階部分が作る影は規制対象とならないので、その影によって1日中日が当たらなくても建築基準法には触れません。
このように、自分が落とす影だけではなく、周囲から受ける影の影響も考えて土地選びをする必要があります。