心理的瑕疵とは、人が心理的に受け入れるのが難しい欠点のことです。
この要因を持つ物件には、事故物件も含まれるので注意が必要です。
特殊な条件を持つ心理的瑕疵のある不動産の売却には、義務づけられていることがあります。
ここでは、心理的瑕疵とはなにか、告知義務について解説します。
心理的瑕疵を持つ不動産の売却とは?
中古物件と瑕疵は切っても切れない関係にあります。
前の住人がどんなに物件をきれいに使用していたとしても、瑕疵のない中古物件は存在しないからです。
人が使用していた空間や設備には、少なからず傷や不具合が生じるものです。
大抵は、物件を使用するうえで負った物理的瑕疵がほとんどです。
一方で、物件で起きた事件や事故で人が亡くなる場合があります。
死因は自殺他殺を問わず、これらの経緯がある物件は心理的瑕疵がある不動産として扱われます。
この条件を持った物件は、たとえ設備の面で住み心地に問題がなかったとしても、精神面で嫌悪を感じることがあるという理由から買い手が付きにくいのが特徴です。
不動産の設備面で問題がない瑕疵には、環境的瑕疵というものも存在します。
環境的瑕疵とは、周辺環境に嫌悪を抱く可能性が高い物件のことです。
たとえば、近所に反社会的組織の事務所がある、隣接する住宅がゴミ屋敷、車が通るたびに住居に振動を感じるなどです。
心理的瑕疵と環境的瑕疵との違いは、前者は物件で過去に起きたことが嫌悪の原因なのに対し、後者は物件を取り巻く環境で現在も引き続き起きている事象に対しての嫌悪だということです。
心理的瑕疵のある不動産の売却に必要な告知義務について
過去に人が亡くなった経歴を持つ不動産を、できるだけ早く売却したいと考える持主は少なくないと思います。
この条件を持つ物件は際立った瑕疵が見られない場合、人気のエリアや築年数が新しいという条件が重なれば早期売却も可能でしょう。
しかしながら、売却する物件内で過去に人が亡くなっている場合には、売主に告知義務が生じます。
この告知義務の対象となる不動産は、自殺他殺はもちろん火災による死者が出た場合にも該当します。
住人が自然死をした場合には、すぐに発見されたものに関しては問題はありませんが、遺体発見までに時間を要したものに対しては必ず告知義務が必要です。
心理的瑕疵の告知義務については、いつまで告知が必要なのか明確な法律があるわけではないのですが、不動産の売却では物件内で死亡事故や事件が起こってから5年程度は必要だと考えられています。
もし、心理的瑕疵物件であることを隠した場合には、損害賠償請求をされる可能性が高いので注意が必要です。