不動産を購入する際には、重要事項説明を受けます。
ただ漠然としていては大事な部分の説明を聞き逃してしまう恐れがありますので、事前にポイントを押さえ、安心して重要事項説明に望みましょう。
今回は不動産を購入する方に向けて、重要事項説明の意味と押さえておくべきポイントをご紹介します。
不動産購入時に受ける重要事項説明の意味とは
宅地建物取引業法では不動産業者に対して、契約前のタイミングで買主に重要事項説明を行い、重要事項説明書を交付することを義務付けています。
目的は、不動産取引において買主を保護するためです。
不動産取引は権利関係や取引条件が複雑であるため、不動産の専門的な知識や経験を持つ業者と比べて、買主が不利な状況にあります。
不動産購入は特に高額の買い物ですから、買主が不利な情報を知らずに契約して不利益を被ることがないように慎重に取引しなければなりません。
不動産に詳しくない方でも、正確に不動産取引の意味を理解して購入可否の意思決定ができるように、重要事項説明では物件についての情報をご紹介します。
不動産購入時に押さえておくべき重要事項説明のポイントとは
重要事項説明の内容は「取引物件に関する事項」、「取引条件に関する事項」、「その他の事項」におおまかに分けられます。
それぞれにおいて、特に押さえておきたいポイントを説明します。
まず、取引物件に関する事項においては以下の内容を確認しましょう。
●トラブルにつながりそうな権利の登記がないか
●希望する建物が建てられなくなるような法令上の制限はないか
●道路のセットバックの有無、公道・私道の別
●インフラは公営か私設か
登記については、所有権や抵当権などの権利の内容をしっかりと確認しましょう。
法令上の制限では、用途地域や建ぺい率・容積率、高さ制限に問題がないか、建築や改修時に影響がないかのチェックが必要です。
道路が私道の場合は負担金の有無の確認が必要ですし、インフラが私設の場合も費用負担をする可能性があります。
取引条件に関する事項では、以下の内容を確認してください。
●売買契約にもとづく義務を履行しなかった際の契約違反による解除
●解除の条件や期間、違約金について
●住宅ローンが借りられなくなった際のローン特約解除の条件
●引渡し前の天災などで建物が滅失した場合などの危険負担による解除
ここでは、契約解除の際にペナルティーがかかるかどうかの詳細な条件が説明されますので、しっかりと確認しましょう。
その他の事項としては、「不動産の表示に誤りがないか」「将来の生活環境に悪影響を及ぼす可能性のある要素はないか」などを確認すると良いでしょう。