高低差のある土地に家を建てる場合に「擁壁工事」をする必要があることはご存じでしょうか。
建物の重量で土地が崩れるのを防ぐための工事で、多くの都道府県で条例として義務付けられています。
この記事では、土地の擁壁工事とは何か、工事の種類、かかる費用や注意点についてご紹介します。
土地の擁壁工事とは何か
擁壁工事とは、傾斜のある土地が崩れないように斜面を安定させるための工事です。
建物を建てると、地面には建物の重量が加わります。
高低差のある土地の場合、地震や地中の雨水が原因で、土地が建物の重量に耐えられなくなり崩れる危険性があるのです。
多くの都道府県では土地の崩壊を防ぐため、高低差が2m以上ある土地に建物を建てる際に擁壁を設けることを義務付ける「がけ条例」を定めています。
土地の擁壁工事の種類
擁壁工事には3つの種類があります。
1つ目は「鉄筋コンクリート」を使った工事です。
一般的に地面に対して垂直に作られるため、敷地を広く使えるメリットがあります。
また、コンクリートの中に鉄筋を使用しているため、強度が高いこともメリットでしょう。
2つ目は「コンクリートブロック」を積む工事です。
高低差が5m程度の土地でおこなわれるケースが多いと言えます。
正方形や長方形のコンクリートブロックを積み擁壁を作ります。
3つ目は「石積み」です。
文字どおり石を積み上げて作るもので、石の間にセメントやモルタルなどを入れて強度を上げたものを「練石積み擁壁」と言います。
土地の擁壁工事にかかる費用
一般的な鉄筋コンクリート擁壁の場合であれば、1㎡あたり5万～10万円程度かかります。
工事の種類やトラックの往復回数などで費用は変動するでしょう。
また、工事の際に通行制限をしなければならないのであれば、その分の人件費もかかります。
多くの自治体では、擁壁工事に対して補助金を出しています。
地域によっては、工事費用の半分を負担してもらえるため確認してみましょう。
すでに擁壁工事が施された土地に建物を建てる際は注意が必要です。
現在施行されている「がけ条例」の基準を満たしていない可能性があり、工事し直さなければならない場合もあります。
まとめ
土地の擁壁工事とは何か、工事の種類、かかる費用や注意点についてご紹介しました。
擁壁工事は土地が崩れないように斜面を安定させるための工事で、3つの種類があります。
補助金を利用できる場合があるため、自治体に確認してみると良いでしょう。
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