住宅の売却にあたり、その不動産の調査であるインスペクションが最近重視されているものの、まだあまり詳しくない方もよくおられます。
ここでは住宅の売却を検討している方に向け、この調査のメリットやデメリットのほか、実施の前に押さえたい注意点について紹介します。
不動産の売却にあたってのインスペクション!メリットとデメリットとは
法改正により売主の責任が以前よりも増した住宅の品質に関し、問題点がないかを事前に確認できるのが大きなメリットです。
調査により問題がないと判明すれば自信を持って売却でき、問題が発覚すれば事前に修繕したり、問題点を契約書に明記したりと、適切に対処できます。
また、その住宅に見えない瑕疵がないかは買主からも一般的に重視されるため、調査を実施して結果が判明している物件は好まれます。
未調査で売り出されている物件よりも選ばれやすく、スムーズに売れる確率が高まる点もメリットです。
さらに指定の調査を実施すると、以降に瑕疵が発見された際に備える保険へと加入でき、売却後に発覚した問題には保険金で対応できます。
これらメリットの一方、インスペクションは有料ですので、売却前に必要な出費が増えます。
調査により問題が見つかった場合、修繕のために追加の費用もかかり、工事が終了するまでは売却も見送らざるを得ず、時間も必要です。
契約書へと瑕疵を明記すれば修繕せずとも売り出せますが、価格の下方修正は避けられません。
このように一部にはデメリットもあるため、それぞれよく確かめてください。
不動産の売却にあたりインスペクションを実施する前に押さえたい注意点
調査対象は2か所、すなわち物件を支える重要な基礎部分と、雨漏りを防ぐための部分であり、その他は対象外です。
その住宅に関する瑕疵の有無や詳細をすべて洗い出せるわけではないため、対象外の部分まで含めて詳しく調べたい場合はまた別に調査を依頼してください。
次に、近年重視されているインスペクションとは法令に基づくものであり、民間業者が独自におこなうものではありません。
類似した名称で現在でも独自の調査が民間業者によりおこなわれていますが、それらは別物であり、メリットとデメリットも先に紹介したものとは異なります。
ここで紹介している調査は不動産会社へ仲介を依頼した際に説明を受けられ、専門家の斡旋も依頼できます。
類似の民間調査と間違えないよう、仲介を依頼した不動産会社を窓口とされるとよいでしょう。