税金はできるだけ安く抑えたいもの。
不動産の売却では高額な利益が出ることもあるため、節税方法を確認しておくことは大切です。
この記事では、税金を安く抑えることができる、3,000万円特別控除を解説します。
不動産売却で知っておきたい3,000万円特別控除はどんな制度?
3,000万円特別控除とは、譲渡所得から3,000万円を控除できる制度です。
3,000万円特別控除に決まった税率をかけたものが、譲渡所得税になります。
譲渡所得税とは、不動産を売却して利益が出ると課税される税金です。
譲渡所得税の税率は、所有期間によって税率がかわります。
所有していた期間が5年以下であれば譲渡所得税の税率は30%、5年以上であれば15%です。
課税対象となる譲渡所得は、不動産を売却して出た利益から、取得費と譲渡費用を差し引いた金額です。
6,000万円で購入して5年以上住んでいた住宅を、100万円の費用をかけて7,000万円で売却したら、7,000万円-(6,000万円+100万円)×15%の135万円が譲渡所得税ということになります。
3,000万円特別控除では、最高3,000万円が譲渡所得から控除できます。
3,000万円特別控除を利用すると先ほどの計算式が、(7,000万円-3,000万円)-(6,000万円+100万円)×15%となり、-315万円。
マイナスとなるため、譲渡所得税はかからないことになります。
不動産売却にともない3,000万円特別控除を利用する際の注意点とは
3,000万円特別控除を利用する条件は、3つです。
1つめは自分が住んでいた住宅または、住まなくたってから3年以内の住宅を売却すること。
2つめは他の特例や控除を受けないこと、3つめは売主と買主が親子や夫婦ではないことです。
3,000万円特別控除を利用するには、売却する不動産が住宅である必要があります。
商店や倉庫、駐車場で利用していた不動産などは、3,000万円特別控除が受けられません。
住まなくなってから3年という期限もあるので、売却時期には注意が必要です。
また、他の特例や控除を併用することができません。
不動産を売却してその金額をもとに住居を購入した場合、住宅ローン控除は利用できないことになります。
3,000万円特別控除を利用するのか、住宅ローン控除を利用するのか、慎重に検討しましょう。
売主と買主が親子や夫婦であることはNGです。
しかし、夫婦が共同名義の不動産を売却した場合は、夫婦のどちらか一方が3,000万円特別控除できるわけでも、夫婦で3,000万円特別控除を分配するわけでもありません。
夫婦それぞれが、3,000万円特別控除を利用できます。
金額が大きい控除制度なので、必ず利用するようにしましょう。
自分が住まなくなって3年以内の不動産を売却したときに使える制度なので、相続不動産では使えないことがあります。
相続不動産の場合は、被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例をチェックしてみましょう。